肌に合う化粧品って何?敏感肌って治るの…?免疫からみる皮膚理論。
目次
はじめに
人間が持っている「自然メカニズム」
私たち人間が生きている時、体のメカニズムが働いています。
そのメカニズムは、私たち人間が「対話」をするように、臓器と臓器、細胞と細胞は、互いに信号を送り合うということによって成り立っています。
肌年齢を決めるのは「遺伝子」ではない
一卵性双生児の場合、遺伝子は一緒です。
その一卵性双生児を対象にした実証実験の結果、
「老化に対する遺伝の影響は15~25%で、残りの75~85%は生活習慣や環境によって変わる」
という結果が出ています。
肌のターンオーバーの仕組みと老化
皮膚は、体の一番外側に位置する「臓器」です。
この皮膚を作る細胞は、28日で生まれ変わる「肌のターンオーバー」と言われるメカニズムを持っています。このメカニズムは「信号」によって成り立っています。
※詳細は「こちら」の記事でご確認ください。
つまりは肌の健康を決めるのは、「信号」です。
免疫機能と肌の関係性
信号を統制しているのが「免疫」
老化は、「信号」によって決まると説明しました。
では、この「信号」を統治している大元はどこかというと、
「免疫」が支配をしています。
免疫の役割
「皮膚」は体の一番外側に位置する臓器です。
体を保護する目的を持つ器官のため、皮膚には多数のセンサーがあります。
皮膚に何かが触れた時、そのセンサーが感知して、「危険なものか」「安全なものか」を判断します。
これが「免疫」という機能です。
「免疫機能」は、人間の体を守るために存在しています。
そして、この人間の免疫機能は、臓器には臓器の、皮膚には皮膚の、内臓には内臓の、血液には血液の、それぞれの免疫機能が備わっています。
肌の免疫機能が働く事例
ストローで皮膚をこすると、皮膚は赤くなるという現象が起こると思います。
これは、免疫が感知して、「ストローで擦られるという行為は、人体に危険な影響があるのかどうか?」を判断している状態です。
これに対して、「危険性はない」と免疫が判断した場合、少し経てば、皮膚の色が元に戻ります。
しかし…皮膚免疫が「外敵が入ってきた」と判断してしまう場合があります。
そうすると、赤くなったり、痒くなったり、蕁麻疹が出たり…という反応が起こるのです。
これが、「敏感肌」「アトピー」と言われる方々の体の中で起こっていることです。
「敏感肌」ってどういう状態?
初対面の人に肩を叩かれた時、驚きつつも許す(受け入れる)ということをすると思います。
この場合に「許さない」「拒否する」ということをする人もいます。
肌も、同じです。
初めての成分が肌に触れた時、免疫機能が働きます。
その際、免疫機能が「受け入れる」という状態が「肌に合う」という状態ですが、
「受け入れない(拒否する)」という判断を免疫機能が下してしまうのが、敏感肌・アトピーの方々というイメージです。
免疫機能が「受け入れない(拒否する)」と判断するとどうなるか?
ウィルスが入った時と一緒です。
例えば、人体に影響があると判断されたウィルスが体内に入ってくると、キラー細胞が働き、影響を受けた自分の細胞を殺して、それ以上に被害が広がらないようにします。
それと同じことが、アトピー・敏感肌の人に起こるのです。
結果、赤み、痒み、蕁麻疹といった症状があらわれるのです。
そして、この「皮膚を殺す」「生み出す」を繰り返すので、
例えば、アトピー肌の人は肌がゴワゴワするということが起こるのです。
「アレルギー」と「免疫機能」の関係性
アレルギーも免疫と関係しています。
同じ物質なのに、ある人はアレルギーが発生するが、あるひとは何も感じないということが起こるのです。
例えば、ある魚を食べたら高熱が出た、ということを、免疫は記憶して覚えています。
そして大人になって同じ魚を食べた時、免疫は、過去の出来事を記憶しているので、「あなたは、これ食べたら危ないと思うよ」という警告を出すのです。
結果、体には、赤くなったり、かくゆくなったり、できものができたり…という症状が出ますが、これらはこの警告として現れるものです。
蕁麻疹やできものが体に現れるという現実が悪いのではありません。
免疫が前もって「あなたにとって危ないよ」と教えてくれているだけなのです。
アレルギー反応が出ていることに対して、いい悪いというものでもなく、批判するというものでもありません。
ただ、免疫が敏感になってしまっているという状態だという理解が必要です。
常態化すると、肌は怒った状態で「アダプト」される
「敏感肌」とは「肌が怒った」状態
「敏感肌」「アトピー」「アレルギー」の肌は、例えるなら、「肌が怒った状態」です。
例えば、こんな場面を想像してみてください。
Aさんが、初めての講演会に行きました。
Aさんは講演会中に眠ってしまい、講師の人は寝ているのに気づきます。
講師の人は「起きてください!」とAさんの頭をたたきました。
Aさんは、怒りが湧きます。
さて、その後、Aさんは冷静にその講師の話を聞くことができるでしょうか?
怒りがおさまらない限りは、きっとその講師の話に耳を傾け、話を聞き、内容を受け入れることは難しいでしょう。
皮膚も、同じです。
皮膚に何かが触れた時、免疫機能によって外敵判定を受けました。
すなわち、「これはあなたにとって良いものではありません」という警告を受け、肌が受け付けを拒否している状態、つまりは、「肌が怒っている状態」です。
人が怒っている時は、人の意見を受け入れられないように、
肌も怒っている時は、どんなに良い成分であっても受け入れることができずに、拒否し続けてしまいます。
だから、まずは、怒っている肌をなだめること、
つまりは「大丈夫だよ、落ち着いてね」と肌を落ち着かせることが重要なのです。
常態化すると「アダプト(順応)」が起こる
免疫機能によって肌が怒った状態が続くと、それが常態化してしまいます。
Aという成分に対して「危険かもしれない」といって免疫機能が拒絶の判断をし、
Bという成分に対して「危険かもしれない」といって免疫機能が拒絶の判断をし、
Cという成分に対して「危険かもしれない」といって免疫機能が拒絶の判断をし…
これを繰り返していくと、肌がどんどんと怒った状態を継続し続けることになります。
そして、その状態が続くと、その状態が「当たり前の状態である」と順応し、常態化されてしまいます。
この現象を「アダプト」と言います。
言い換えるなら、
「肌がいつも怒っていて、何をしても拒絶してしまう状態でアダプトされてしまった」
これが、敏感肌・アトピー・アレルギーと言われる肌の状態なのです。
「化粧品が合わない」と思う方へ
初めて使う化粧品があった時、使ってみると赤みが出たり痒みが出たりして、
「肌に合わない」と感じる人がいるかと思います。
もちろん、本当に肌に合わないというケースもあると思いますが、
肌理論的な観点から見ると、先ほど説明した「アダプト」という状態になっているとも判断できます。
つまりは、本来のあなたの肌は受け付けることができる成分なのに、
免疫機能によって起こった「肌が怒っている状態でアダプトされてしまった」状態によって、
本来受け付けることができる成分を、受け付けない状態になっている可能性が大きくあります。
その場合、本来のあなたの肌を取り戻すためにやるべきことは、
この「アダプト(肌が常に怒っている状態)」に対してアプローチをすることです。
すなわち、怒っている肌を落ち着かせて、受け入れられる肌の状態を作ることです。
そうすると、皆さんが使用できる化粧品の選択肢が広がります。